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9.5mmゲージの MIDAS Camera/Projector と ダブル8mmゲージの ヘリオマチック

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9.5mmゲージの MIDAS Camera/Projector と ダブル8mmゲージの ヘリオマチック

 

40年近く前になりますか・・・子育て真っ最中の水飲み亭主で 小遣いは無いし、中堅社員としての立ち位置の宮仕えというか 飼い犬のつらさで、自分の思うように動けない 辛かった時期に ご年配のお客様から「小型映画」って雑誌を手渡され 8ミリ同好会があるから来てみたら・・?

 

と、誘われ センセの説明がよかったのでしょう、その世界に感化され 生来の凝り性発動、会の方の機械を借りては機能と構造に夢中になった、子育ても終わるころから、小金を貯めては集めたのがクラシックムービーカメラで、机の上に艦載機よろしく並べては 仕事の憂さを忘れて喜んでいたのです。


こんな自分を よく可愛がって戴いた ご年配のH氏から 8mmではなく
9.5mm規格のシネカメラがあり パーフォレーションが横ではなく コマ間の中央にあり フィルム幅も広い その分画面も大きいから・・と存在を教えられ、訳も分からず集めたもので、その中での「変わりもの」が撮影するカメラが映写機になるという MIDAS Camera/Projector だったりします。

 

そんなこんなのクラシックムービーカメラを整備をしながら順次ご案内してゆく予定です・・・

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初期型 スーパーイコンタ と スーパー セミ イコンタ

     

 

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初期型 スーパーイコンタ と スーパー セミ イコンタ

 

イコンタを距離計連動にした高級スプリングカメラで、我が国ではスーパーセミイコンタと呼ばれる 4.5X6cm判のA型と 6X9cm判のC型が1934年に発売された。


距離計連動機では前方レンズの繰り出し量をボディ側の距離計に伝えなければならないが、折り畳むスプリングカメラでは機械的に伝達することは当時では極めて困難だったようで、継ぎ手を用いて連動させていたものもないことはないが、どうしても正確さに欠け、狂いも生じやすい。


そこで、ツァイス・イコンとカール・ツァイスが考えたのがレンズの繰り出しを機械的にボディ側に伝えてミラーの角度を調節するのではなく、光学的に伝達しようと言う事であった。


即ちレンズの前玉の回転により 2枚の小さなクサビ形のプリズムを互いに逆方向に回転させることによってレンズ側で二重像の光路を調節してしまおうというのである・・・これが俗にいう ドレーカイル(回転するクサビ)で、さらにボディ側の基線長の両側にミラーを置くのではなく一本の棒プリズムとなっているので、衝撃を受けても狂いようが無いのです。


ツァイス贔屓の修理のオジさんも、最初は「どないなっとんゃ‥」って思ったわぁ と言ってたから画期的だったのでしょう。

この度、あるご縁で 初期型 スーパーイコンタ と スーパー セミ イコンタ をセットで入手しました、状態として75年の時空を超えていますから 決してピカピカではありませんが 塗装部のペイント落ち タッチアップなどあるのですが、初期型としては いい 外観状態だと思います。

 

2020年 4月30日 年代もあります、ただいま整備を検討中・・・動きますように!
2020年 5月13日 整備完了 初代スーパーセミイコンタ 530型 カメラキッズホームページにて販売中 XXXXX円

2020年 5月19日 売り切れました ありがとうございます。

 

 

 

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マミヤ ELCA:エルカ

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世界初の距離計と露出計の二重連動 ・・・マミヤ ELCA:エルカ

 

マミヤのこだわりだったのでしょう・・世界初となる距離計と露出計の二重連動機を1958年に発表しています。 資料雑誌などによると、当時の広告は・・世界最初の画期的な三元連動カメラ 「電気露出計完全連動」「距離計連動」に、「シャッター・セット・フィルム巻上げ連動」と、得意げな開発者の表情が見えてきそうです。


もう、お分かりのようにエルカの名前はライカをパクったのではなく、「エレクトリック・カメラ」に由来します。 カメラキッズでも この12年の間に 6-7回 ご紹介した事があります。

ご記憶の方もいらっしゃるかも知れませんが、ブログ:フォトブランカへは二度目の登場です。 

 

ページへのアクセスも多かったですから、マミヤファンだけに限らなかったのでしょう。 どちらかというと・・・レアとされる機械で、シャッターはフィルム感度設定機能を付加した特注のコパルスペシャルを採用し、また低輝度時にカメラ上部ソケットに装着して使用する露出計ブースターが用意されていたらしいのですが、そのブースターといわれるものを自分は見たことがありません。


自分の感覚で恐縮ですが1958年というと・・・我が国は 「三丁目の夕日」の世界で、みな平等に貧しい時代だったと思います、とても露出計完全連動のカメラなんて夢のまた夢だったに違いない。 景気のいい外国向けが主力で国内には少数の販売となり、結果、今となってはセレンの経年劣化や潤滑油/グリスなど それなりの品質だったのか 硬化して機械が固まるなど調子のいい機械はまず見つからないのです


でも、今回の機械はメーターも年代なりの反応で・・・何とか生きています、でも絶対精度を保証できるものではありません、ご理解下さい。 レンズ、ファインダーも経年のホコリ混入、シャッターはお約束のネバリでコテコテなのですが、ハーフミラーなどの劣化もなく、各部にスレなど無い状態なので、整備を検討中・・・動きますように?



2020年 4月19日 整備を検討中、しばらくお待ちください。シャッター機構、距離計機構動作確認、そして年代なりではありますがメーターも反応しています。

2020年 5月13日 整備完了シャッターなど不具合無く動作中を確認しました ただ難点があります 外観的にレザーが劣化しエプロン部を外すための作業中に割れ その部分が代替レザーになっています。 あと一つは巻き上げギアの劣化変形により、フィルムを入れて操作すると時々ダブります。・・・訳あり/現状にてカメラキッズホームページにて販売中 XXXX円

2020年 6月 3日  売り切れました いつもありがとうございます。

 



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エクスプレス75mm3.5搭載の エンサイン セルフィックス16-20

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イギリス製 エンサイン セルフィックス16-20


ひさしぶりのセルフィックスのご案内・・・一昔前 民主党政権時代の円高で割安感があり その頃は頻繁にご案内した記憶があります、その頃でも ロス(ロッスとも呼ばれる)のエクスプレス搭載機は稀で、小さな巨人的存在だったのです。


さて、資料雑誌によると エンサイン社の歴史は古く、かってイギリスにあったガラス乾板、フィルム、レンズ、カメラのメーカーのHoughton:ホートン社が基礎になり、時代の変化で高級ウッドカメラのサンダーソン、フィルムのバーネットさらに光学機器のロスなどと合併を繰り返し、エンサインブランドのカメラを製造したイギリスを代表するカメラメーカーのひとつとのこと。

 

エンサイン社は バリエーションとして距離計連動の高級版をオートレンジと呼び、ファインダーのみの目測距離合わせの普及版をセルフィックスのネーミングとし、製品番号は撮影可能枚数と使用フィルムを表し、16-20は120または620フィルムで6×4.5判が16枚撮れますよ・・と言う具合に、例外はあるものの分りやすく名前をつけています。

 

当機はロス・エンサイン社が1950年中頃に発売した目測式のセルフィックス16-20、 特徴のひとつに620・120フィルム兼用としたところで、微妙に異なる大きさと 巻き取り穴規格の異なるスプールに対応するのです、このアタリが島国根性丸出しの自分にとっては魅力というか・・・思わず「ニクイねぇ・・」と言いたくなるのです。

 

さてご案内の セルフィクスは ルーペを収めた上カバーが柔らかな曲面でまとめられた きれいなフォルムで、 右の巻き上げノブと左側に焦点深度を示すダイアルを左右対称に配置した当時の定番デザインです。 フィルム装填時はフィルム室の下(底)部分にあり、スプールを下に押すとボタンが出るようになっていて、回転させ引き出した状態で固定が出来、これが便利で120フィルムを装填時に役立ちます。

 

シャッターボタン横にはインジケーターがシャッターを切ると色が変わるのはどのカメラでも共通です、更にの特徴としてシャッターボタンの真ん中に小さなピンあり、シャッターセットをせずシャッターを押すと真ん中のピンが引っ込まないで指を チクリ と刺し『シャッターがセットされて無いよ』 と注意してくれるのです

 

折り畳み式のアルバタファインダーでも
当機は接眼部のレンズの外側にこのように白い枠を引き、前のレンズに反射させることで、後年のブライトフレームのような感じで広い視野の中に実画面が表示される優れたファインダーを実現しています、この時代では先進性があったのでしょう。

 

何といっても、極めつけは搭載されているXPRES:エクスプレス75mm3.5の素晴らしさにあります、ウェブ上にも複数の方がこのレンズのためにお求めになられる方が後を絶たないとの事です。


年代もあります、イプシロンシャッターにネバリがあります、エクスプレス75mm3.5 をお楽しみいただきたいので、修理のオジさんに無理をお願いしているところ・・・


2020年 4月 18日  只今整備中 もう少しお待ちください。

2020年 4月18日  ブログ更新中に 売り切れました、いつもありがとうございます。

 

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6X6と35mmの兼用機として登場した・・・スズキ プレスバン

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6X6と35mmの兼用機として登場した・・・スズキ プレスバン

 

ほぼ7-8年前になりますか・・ブログで紹介し、今回久しぶりのご案内になります。

 

さて、某ビジネスパートナーとの話の中、 Have you sold Suzuki Press Van・・なんて話になって、スズキ プレスバンって車だと思って、免許を持っていない自分は、それなりの返事を考えていたら、Suzuki Camera Works made it around 1950・・don't you know do you と言われ、「66と35mm兼用の折り畳みカメラなんだ、Suzuki Camera Works (鈴木光学工業)というのは、エコーというライター型カメラで有名な鈴木光学の製品で、レアなカメラなんだょ」・・と話は続く。


口上でいわされてしまって、商品入手後、アレコレ調べるのですが、集めた断片的資料では前述の内容確認に役立たず、頼りにしている camerapedia でも 鈴木光学だけでは同一かどうか特定されておらず、また一番知りたい6X6と35mm兼用に関する記述がなく、We don't have enough information to provide an accurate・・・で、正直よく分からないまま、とりあえず整備をして仕舞い込むという いつものパターン。


もし、兼用機であるならば35mmアダプターの付属していない現状では、一コマ毎のストップ機構がなく、35mmを使うにはローライキンの初期型のようなスプロケットに一コマ毎のストップ機構の付いた35mmアダプターが予定されていたのだろう・・・と自分なりに想像しているたのです。


プレスバンの登場した1950年前後といえば自分を含む団塊世代が生まれた頃で、精度管理された製造ラインや充分な材料などある筈もない時代、カメラはおろかフィルムさえ珍しく、裏紙式ロールフィルムが当然の頃に、高価なパトローネ入りの35mmフィルムのユーザーは報道関係などと限られていたと思われ、35mmアダプターは時期を見ての発売予定として、本体を優先販売したのでは と思い・・・


それならばとアレコレ探してみるのですが、その35mmフィルム用の アダプターに関してウェブ上でも確認できず、果たして実在したものかどうか悩むところです。 ともかくボディには35mm用のフィルムカウンター、巻き戻し切り替えレバーと巻き戻しノブが装備され ファインダーも6X6と35mmの切替え式として機能するような機構になっているのです、

 

同様に120と35mmフィルム兼用の二眼レフなどは散見しますが、ただ35mmを使おうと思えば使える・・・というのが多く、巻き戻しを考えると使いたくなくなるのですが、その中にあって、実用を考え巻き戻しが出来る機構を載せたのは少なかったのです。 

 

はたして6X6と35mmは兼用できるのか?・・が積年の謎というか疑問点だったのですが、 あるご縁で某コレクター氏のご厚意によって 次の「 アダプター付きプレスバン 」を入手出来ました、巻き上げは当然 巻き戻しも可能な 正に6X6と/35mm兼用機となるのですょ、自分の知る範囲では唯一です。

 

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2020年 4月15日 只今整備中 もう しばらくお時間をいただきます。
2020年 4月17日 整備、動作確認を済ませました カメラキッズホームページにて販売中 XXXXX円。

2020年 4月17日 売り切れました いつもありがとうございます。

           

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