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アトムレンズ(放射能レンズ)・・・って何

 

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アトムレンズ(放射能レンズ)・・・って何


さる方から 時々耳にする「放射能レンズ・・って」何なん、と難しい事を聞かれてしまった、思い付きの返事をするわけにもいかず、教えられてきたことを修理のオジさんと確認しながら、ウェブ記述などと比較しながら、同一記述を拾い上げまとめてみましが、専門外で力不足、間違いはご容赦願います。

 

写真レンズの進歩過程で、レンズの組み合わせや硝材に添加物を加えることで屈折率を変えるなど、また添加物異なるレンズをバルサムで張り合わせ波長の異なる光を一点に結ばせる など開発をします、材質の違うレンズを貼り合わせるものですから、それぞれ膨張率が異なり経年変化で接着面が剥がれるバルサム切れがどうしても起きます、廉価なレンズでは起きようがありませんから 修理のオジさんは「ある意味高級レンズの証しなんょ・・と教えられてきた」と、自分もそう信じてきた。

 

ご紹介のペンタックスのレンズに関しての記述になります、他にも相当量はあると思われますが、詳しくはその方面をお調べ願います。

 

限られたスペースで収差の無い光学系を完成させるため、思う屈折率となる トリウムを添加物として加えたガラスが開発され、同様な添加物を採用したレンズが収差の無いアポ何とかレンズとしてで作られたのですが、添加物の特性上放射線を出しながら経年の変化でシャンパン色にレンズが染まる・・というか セピアっぽい色見となるのです。 なぜそうなるのは不勉強でご勘弁願うとして、俗称「放射能レンズ・・・」と揶揄され、保管はX線防止用の鉛の袋に入れなければなんてデマまで出る始末。


線量から害は無いと分かると 何時の頃からか「トリウムレンズ」「アトムレンズ」と呼び名が可愛くなっていったのです。


その後蛍石を使ったり、レンズ研磨の技術向上で量産型非球面レンズを組合すことで 思う目的に合わせたレンズ設計が出来るようになったので放射線を出すレンズの必要性は無くなったのだろうと教えられてきました

 

さて シャンパン色の染まった「アトムレンズ」の実用性ですが、リバーサルフィルムでは当然 ライトバランシングフィルターを併用しなければならないぐらいに色味が変わりますが、デジタル機器ではAWB(自動ホワイトバランス)が働くので、支障なく高性能連レンズの描写を楽しめます・・・自分も手元のPanasonic GX7に取り付けて試しましたが、モニター上でも正常に補正されていました・・・いい時代です!

またウェブ上の書き込みによりますと アンバー色に変色しているアトムレンズは、紫外線に被曝させることでその着色を薄くすることが可能とのこと、鏡胴からレンズユニットを取り出して夏の直射日光に曝しておくか、紫外線ランプの照射が有効・・・と紹介されていました、どうなんだろぅ・・・未確認ですから。

 

アトムレンズと言われるレンズも時代が新しくなるにつれ、まだ色味も薄いのですが 時が経つにつけ変化するのでしょうか?

 

2019年 9月15日 順次 整備後 カメラキッズホームページ掲載を 予定しております。

2019年~2020年末にかけて各個完売済み。

 

 

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