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ミノン シックス III 型

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大和光機工業   Minon  ミノン シックス III

大和光機工業って言えば、あのミニライカで有名なパックスを世に出したカメラメーカーで、知る人は知っているのですが 「ミニカメラごときに興味無ぇ・・」 の方がほとんどで、「ミノンって知ってる?」と尋ねても いい返事は期待できません。

自分とて、ミニカメラ好きの性格から知ることとなり、凝り性の性格が一人歩きして調べているうちに、ひとつ・・また ひとつ と集めることになって、趣味資料はコテコテでも形があれば十分なのですが、この度 ご紹介の III 型はあまり使われることなく、ケースに収まった状態で保管されていたと思われ、かなりいい状態で残っていたものを あるご縁で入手出来ました。

スペック的には板金フレームに単独距離計を載せ、大和光機製ルミナー75mm3.5をB.1.2.5.10.25.50.100.200 のTSKシャッターにマウントして載せています、 外観的特徴にもなってる絞りダイヤル以外の特長は無いのですが、III型になってヒンジ式の可動ブレードによる6X6と6X4.5にフォーマットが切り代え可能となっています。

何と言うか、ミノンブランドの折畳みカメラって景気の悪くなった折りたたみカメラメーカーを大和光機が吸収する形でデザイン、名前を変えて販売したのだと、個人の意見として木川光学(後のカール光学)ではないのかと 自分は思うのです、あの頃は各社が諸事情で統廃合を繰り返していた時期ですから・・・多分ソウ。  

さて状態として、メッキ部にわずかな軽いスレ、特に目立つアタリキズは無いように思います。 蛇腹部も年代相応、保管も適切だったようです。 ただ経年の 保管中にレザーの縮みがみられ、裏蓋部は縮みによるヒビ割れが出来ています。 少数生産でもあり、年代を鑑みるに比較的いい中古状態だと思います。 

機能的には不具合無く動作します、でも新品ではありません、ピカピカを期待される方には不向きですご勘弁下さい。 ほぼ50年を経たスプリングの反発力で動く機械であるとご理解下さい。

念のためシャッター整備・各部クリーニングを済ませました、シャッター機構に3ヶ月の保証が付いています。 露出条件さえ適えば実用も可能かと思われます。

カメラ先進国の後を追いかけるように、形だけでも・・と夢を紡いだころの機械です、穏やかな操作をお願いします。 お探しの方にお届け出来れば幸いです。

2015年 3月28日 整備完了 カメラキッズホムページにて販売中 XXXXX円
2015年 4月 7日 売り切れました ありがとうございます。

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ダースト オートマティカ

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ダースト オートマティカ

手元の資料雑誌やウェブ記事を参考にすると・・・イタリアのダースト社(Durst Phototechnik S.p.A.)は、1936年にダースト兄弟(Julius & Gilbert Durst)によって設立された写真機器メーカーとされ、世界的に有名だったのはフィルム時代の高性能引き伸ばし器で、日本ではあのペンタックスの旭光学 工業株式会社が代理店となり、アサヒダーストのブランド名で国内販売され、ダーストブランドの印画紙の高かったことなど・・・年配の自家処理好きの写真愛 好家の方なら憧れた思い出をお持ちかも知れません。

さて、そのダースト社もあの大戦後に、少数のスチルカメラを製造したことがあります。ラピッドフィルム規格 縦型スタイルのDuca:デュカ や、6x6cm判のダースト66 などがあったらしい、今回ご紹介するダースト・オートマティカは、1956年に登場し1963年まで生産された35mm判コンパクトカメラで、35mm判 カメラとしては個性的というか例をみない空気シリンダーを使った空気流量制御方式による絞り優先AE方式を実現した、たいへんユニークなカメラなのです。

これから先は自分にとって ほとんど馴染みなく雑誌の受け売りになります、同一の確認が出来ず 一つの意見だと思ってください・・・「過去のすべてのカメラの中で、この空気流量制御方式を採用したカメラは、ほかにドイツのアグファ社が1956年に発 売したオートマチック66(Automatic 66)があるだけです。オートマチック66は6x6cm判蛇腹折り畳み式カメラで唯一の自動露出を実現したカメラですが、このオートマティカともども世界 的な珍機種と言えるでしょう。」・・・との事です。

セレンの起電力でポンプの空気流量を制御すると言ったら、なおさら分かりにくいと思うので、ある種のセレンの起電力による可変レギュレーターと思ってくだ さい。 明るいとポンプ内の穴が大きくなり空気が短時間で流れ、暗いとその逆となります・・・この時間差でシャッター速度をコントロールする事で、絞り優 先空気流量制御式EEカメラとしているのです。

今から60年ほど前の1956年に生産されたとcamerapedia にも紹介されているのですが本当ですかねえ、セレン式の針押さえ式EEのキャノネットの時代ですょ、その時代に絞り優先シャッターオートが存在したなんて信じられない・・と自分は思っているのです。

状態として、セレン劣化のためオートは働きません、「動けば・・」と思ってアチコチ尋ねても色よい返事など無く、修理のオジさんも 分解の複雑さを知っていたようで 「直しとんか・・壊しとんか判らん仕事なんか出来るかぇ・・・」と首を横に振るだけだった。 マニュアル専用となります 本来はエアー式の静かな自動露出機なのですが・・・また、フィルムカウンターもリセットされません、現状にて。

2015年 3月11日 ただいま動作確認中、もうしばらくお待ち下さい。
2015年 3月13日 カメラキッズホームページにて販売中 XXXXX円

2015年12月15日 売り切れました ありがとうございます。

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ロボット ジュニア

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ロボット ジュニア

ロボットの歴史の始まりは1931年からである、その場所はドイツのウェストフィリアのシュウエルムである。 ロボットの始祖となるモデルは1898年生まれのハインツ・キルフィットにより設計されている 彼は時計メーカーで精密部品の製造に従事していた。

アイデアマンのキルフィットは開発したカメラをコダックやアグファに持ち込んだが、両者とも小型で海のものとも山のものともつかないものには興味を示さなかったのです。

世の中不思議なもので、同じ頃、ビジネスチャンスを探していたドイツの実業家の息子 ハンス・ハインリッヒ・バーニングが親からの資金援助を得てキルフィットのカメラの製造に乗り出し1934年にはロボットカメラの特許を得るまでになったのです。

キルフィットのプロトタイプは、ロボットの標準仕様となるスプリングモーター機構をまだ内蔵していなかった。 スプリングモーターのアイデアはバーニング によるものといわれている、このモーター機構は指でシャッター押す動作で撮影速度が決まり、当事の他のカメラとは異なる仕様でユニークなものであった。

その後バーニングはロータリーシャッターを開発し会社を育て、1938年にはロボットバーニング社と改名し、キルフィットは1938年に発表されたロボッ トIIまでの設計の足がかりを残し、報奨金を受け取り退社している。 【 ロボット.ヒストリカ Claude BELLON 中村信一=訳 参考】

スプリングモーターという特殊な構造が監視カメラ、学術用記録カメラはもちろん軍用偵察カメラなどに使われ、目的に合わせた特注機の多様さには驚きます。 ミリタリーファンには興味を惹かれるところかもしれません。

自動巻上げという特徴から、一般撮影より監視・管理カメラとして用いられ、数多いフォーマットの中で ロボット ジュニア は定番フォーマットの24X24mmで、また専用ダブルマガジンではなく135規格の35mmフィルムがそのまま使えますから比較的後期のモデルだと思われます。

機構的に巻取り部がラピッドシステムの様に専用マガジン室になっており、巻戻し機構がありません、専用マガジンが手軽に入手出来れば実用も可能なのですが、入手が難しいとされる 今となっては大変です。 


当機にはマガジンが一つ付属していて 「運がいい」 としか言いようがない・・・神の国に生まれてよかった、全てのものに神を見ていた祖先のDNAに感謝します。

念のため、詳細と各部動作確認中・・・もうしばらくお待ち下さい。

2015年 3月12日 動作確認完了 カメラキッズホームページにて販売中 XXXXX円
2015年 3月12日 売り切れました ありがとうございます。

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